横浜~町田

朝から天気予報様が「今日は寒ぃッスよ」などとのたまい、心を折りに来てる…
それでもエイヤッと自転車に乗るゲルマン魂。



◆横浜市歴史博物館
最寄の博物館の一つ。でも、ちゃんと見るのは始めてかも。

特別展『火の神・生命の神-古代のカマド信仰をさぐる』を観覧。
甕や甑等の出土品、模型、古文書で追うカマド信仰。

古墳時代、五世紀頃に朝鮮半島から渡来人によってカマドが伝承。
カマド神は守護神であると同時に強い祟りの力を持ち、丁重に扱われていたらしい。
古墳時代の遺跡では、カマド内や周辺から勾玉や鏡、祭祀品が出土。奈良・平安時代には、神への供物を盛る杯が埋め込まれていた。

そして、住居を廃する際にはカマドを破壊している。
『カマド神が家人の善行悪行を天帝に告げ天寿を左右する、という道教思想からカマド神を封印した』説、
『新居のカマドに神様を移し、元のカマドに戻れないように破壊した』説、
の2説あるみたい。



古民具に関する展示は何度か見ているが、時代を追って生活様式の変化を見るモノが殆ど。
こういう信仰・伝承から見た展示は初めて。
「面白かった」より「勉強になった」て感じ。知的好奇心を刺激されて心地よかった。

在場時間:約85分



◆町田市立国際版画美術館
ぐるっとパスを利用して、入館料¥600→¥0

特別展『浮世絵―国芳から芳年へ』開催中。
去年、太田浮記念美術館や森アーツギャラリーでの展覧会が大ヒット、大胆で奇想な画風が魅力の歌川国芳。
その国芳の弟子で、明治浮世絵界の第一線で活躍した歌川芳年。
この2人を中心に江戸末期~明治期の浮世絵を紹介する展覧会。

展示は国芳の『唐土二十四孝』からスタート。
主題は中国の親孝行に関する説話だが、絵の構図は西洋書物から取り込んでおり、異国情緒の趣きがある。国芳の先進性が見て取れる作品群。

芳年は初期作品は大らかな筆遣い色使いで師風をよく受け継いでいるが、大病してからは非常な繊細な線描になっており画風が一変している。



作品としては芳年の『月百姿』が素晴らしかった。
月にちなんだ故事や説話、風説、巷説等を題材にしたシリーズ。

『はかなしや波の下にも 入ぬへし つきの都の 人やみるとて 有子』
04yoshitoshi05030 - コピー
これから身投げする場面。
明るい画面で、水面に反射する月光が印象的。

『朝野川晴雪月 孝女ちか子』
04yoshitoshi05080 - コピー
こちら正に飛び降りている場面。
雪と月と、冷涼でとても静的な背景に対し、身を投げるちか子の動的描写。また、着物の紅色が背景に凄い映える。
動きの対比と色彩のコントラストが印象に残った。



江戸時代は幕府の検閲のため、信長・秀吉時代以降の出来事を絵の主題にする事は表向き禁止されていた。
明治になってコノ制約が解け、神話や歴史物語も盛んに浮世絵に描かれるようになった。芳年も色々と描いている。
キャプションが丁寧で、絵の事だけでなく時代背景や流れも良く分かって素晴らしい。

国芳の迫力のある浮世絵が大好きだが、繊細な筆致の芳年の絵も素晴らしい。
一気にファンになった。

在場時間:約100分



◆町田市立博物館
折角町田まで来たので、もう一件。
特別展『-小さく縫いものをまなぶ- 裁縫ひな形と布への想い』を観覧。



裁縫雛形とは、裁縫を学ぶために作られた小さな着物。
最初の展示は、明治~大正期の服飾学校で作られた裁縫雛形の展示。
振袖、襦袢、裃、手甲、袴、蚊帳、etc,etc… と時代背景も見て取れる。

続いては民族資料としての裁縫雛形。
昭和10年頃に行われた民俗学の調査で残された農村の仕事着の写真や図版。そこから構成要素を把握し1/5サイズで再現。

第3章は「布の記憶」
繕い物、リフォーム、リサイクルされる着物について。
ボロやはぎれから作った手縫いの色鮮やかな手ぬぐいが目に止まる。手を加え様々に形を変えて、大切に使われてきた事が良く伝わる。
着物は直線で構成されていて、バラし易く仕立て直すのが比較的簡単。洋服は体体形に合わせた曲線で構成されるから、そもそもの作りからしてリフォームしやすいんだな。

最後は文献資料。
江戸時代は布の幅や丈が不統一で、過不足無く立つ事が難しかった為、裁ち方を図示した手引書が読まれていた。
でも縫い方は親や師匠からの口伝で、記述は無し。
明治以降になるとミシンや洋服が学校教育にも取り入れられる。



ただ「ミニチュア面白ぇ~」だけでなく、裁縫をとりまく歴史、民俗資料としての裁縫、布を大切にする思い、と包括的で大変ためになる展示だった。

在場時間:約55分


戦い終わって ~神々の黄昏~
町田は存外近く、三施設巡って帰ってきても夕方前。
展示はどれも充足感があったし、体力的にもチョット余裕があってヨカヨカ。

自転車走行距離:約38km
関連記事
スポンサーサイト

この記事へのコメント

管理人のみ通知 :

トラックバック