生物と無生物のあいだ

岩波・中央公論・講談社の合同新書キャンペーンで推されていて、気になっていた一冊を読了。



分子生物学、生化学を中心とした近代生命科学の歩みと、その手法を紹介した一冊。
生物学の知識が無くとも分かりやすく、科学者をとりまくエピソードもたっぷり。

印象に残った言葉の例としては
「なぜ原子はそんなに小さいのか?」
「秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない」

後半は著者の研究の話になるが、遺伝子操作したマウスには変化が得られず終わる。
それこそが著者が提唱する生命の定義「動的平衡」によるモノだ。

私たちは遺伝子をひとつ失ったマウスに何事も起こらなかったことに落胆するのではなく、何事も起こらなかったことに驚愕すべきなのである。動的な平衡がもつ、やわらかな適応力となめらかな復元力の大きさにこそ驚嘆すべきなのだ。
結局、私たちが明らかなにできたことは、生命を機械的に、操作的に扱うことの不可能性だったのである。


知的好奇心を充たしてくれるだけでなく、情感豊かな描写にドラマチックな展開もあり、読み物としても大変面白かった。


生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)
(2007/05/18)
福岡 伸一

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