発掘を科学する

新聞連載をまとめた一冊。
考古学と自然科学の共同研究成果を紹介した内容。

考古学には明るくないが「考古学に自然科学的手法の併用は欠かせない」程度の認識は持っていた。むしろ、昔は鳥獣の骨や植物といった自然遺物が研究対象として見られていなかった事に驚く。

主だったテーマは
・獣骨
・残存脂肪酸
・便所跡の寄生虫卵
・イネ科植物のガラス質細胞、プラントオパール
・歯型計測による血縁推定
・液状化跡、地震痕跡による遺跡の年代判定
・化学分析による土器の産出地判定
・石室、石垣の変形計測
・樹脂含浸による有機物遺物保護
etc,etc…

各章なかなか面白い。
DNA解析と放射性炭素年代測定が無いのは、20年前という連載時期と関係あるのだろうか?

それと「はじめに」と「おわりに」が大変残念。
研究者にも様々な人がいる、として他研究者への不信感や自然科学へのコンプレックスを表している。
都市開発に伴う遺跡発掘の増大し、充分な調査が行えず記録保存に留まる件が多いらしい。考古学が置かれている環境を紹介するのは大切だが、書き方がどこか言い訳がましく見苦しさも感じる。
内容は面白いのに、読後感が良くない。惜しい一冊。


発掘を科学する (岩波新書)発掘を科学する (岩波新書)
(1994/10/20)
不明

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